大学生が、コーヒーを哲学する。

LOCAセラミックフィルターでインターンしている大学生が、都内のコーヒーショップを巡り、コーヒーの魅力を発信します。

こだわりの浅煎りコーヒー COUNTERPART COFFEE GALLERY 渡累氏

こんにちは!いよいよ秋も深まってきました。西日に照らされた落ち葉をコーヒー片手に眺めています。

今回は西新宿五丁目駅から徒歩1分、都会の喧騒の中にたたずむ、COUNTERPART COFFEE GALLERYさんに、こだわりの浅煎りコーヒーについて伺いました。

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オーナーの渡累(わたりるい)氏


「COUNTERPARTには、兄弟とか相棒っていう意味があるんですよ」

もともと赤坂でシェフをしていた渡氏は、あるコーヒーがきっかけでバリスタの道を志したのだという。それは、神保町のGLITCH COFFEE&ROASTERSで飲んだ1杯である。

「素直に、ああ、おいしいって思いました。今まで知っていたコーヒーの常識を覆されれるような感覚でした」

それをきっかけに、料理人の道を目指すのか、バリスタの道を目指すのか悩み、最後にはGLITCH COFFEE&ROASTERSで3年間の修行を積むことになる。

「どうして、料理人ではなく、バリスタを選ばれたんですか」

「それは、お客さんとの距離です。シェフだとお客さんとお話しする機会が少ないと思います。でもバリスタはお客さんとの距離が近い。お客さんの帰り際に『コーヒーどうでしたか』とお話しできるのがいいなと思いました」

その後、独立してCOUNTERPART COFFEE GALLERYをオープンした。渡氏は自分の道を歩んだが、その原点はGLITCH COFFEE&ROASTERSにある。だからら、"COUNTERPART"なのだ。

創業の思いは、お店の空間に反映されている。白く塗られた壁面に様々なアート作品が飾られていて、空間に無駄がない。都会的に洗練されている。それでいて、店内にはジャズや60年代のロックが流れていて、特に1階はお客さんとバリスタの距離が近くなるように設計されている。目の前に見える、人通りの絶えない大きな交差点から浮き出るように、人の温かみを感じるのだ。

「お店の名前にある"GALLERY"はまさにアート作品のことで、月に1回変えています。お客さんにとって、アットホームでくつろげるような、言うならば『ジャージでも来れる』お店を目指しています」

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渡氏は、自分がGLITCH COFFEE&ROASTERSで味わった「あの経験」をCOUNTER PARTCOFFEE GALLERYでも味わってもらいたいのだと、熱い思いを語る。

「だからこそ、スペシャリティーコーヒーにこだわっています。それも、豆本来の味を引き出せるように浅煎りの豆に限定しています」

かつては、輸送技術が発達していなかったので、なかなか品質を保つことができなかった。しかし今、まるで必要以上に焦がしたような、深すぎるコーヒーは、本当に豆の味を伝えているのだろうか。コーヒーはただ熱くて、ビターで、目が覚めればよいのだろうか。コーヒーの味はほとんど豆で決まってしまうのだ。

「では、抽出のときにこだわっていることはありますか」

「産地の個性を引き出せるように努力しています。なので、ブレンドでお出しすることはありません。苦味や雑味、渋味をできるだけ取り除いて、産地の特徴が手に取るように分かるような、クリアでフルーティーなコーヒーを目指しています」

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エチオピアの浅煎りをいただきました。果実のようにフルーティーで、見た目もクリアでした。

もうひとつ、スペシャリティーコーヒーにこだわる理由がある。それは、主観的においしいコーヒーではなく、客観的においしい、世界基準のコーヒーだからだ。

「西新宿とい場所柄もあって、平日は多くの会社員の方に来ていただいています。でも、近くのアパホテルからいらっしゃる海外のお客さんの方がずっと多いです」

スペシャリティーコーヒーは、SCAA(Speciality Coffee Association of America)が認定した、Qグレーダーと呼ばれるプロ中のプロによって評価された豆だ。

自分のものさしで満足するのではなく、常に世界基準のコーヒーを追い求めている。だからこそ、世界中から訪れたお客さんに支持してもらえるのだ。

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LOCAを使って抽出していただきました!

2016年にオープンしたCOUNTERPART COFFEE GALLERYは今年で4年目になる。今後は出張バリスタやオフィスコーヒーなど、さらに活躍の場を広げていきたいと渡氏は意気込んでいる。

counterpartcoffeegallery.com

COUNTERPART COFFEE GALLERY
http://counterpartcoffeegallery.com/
〒151-0071 東京都渋谷区本町3-12-16
TEL 03-3378-0577
営業時間 平日7:30-21:00 休日8:30-20:00

日本のコーヒー文化の原点にタイムスリップ 名曲喫茶ライオン

10月に入って少し涼しくなってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。夏休みが終わって、秋学期が始まった私は、毎朝コーヒーなしではやっていけない、という思いです。

今回は渋谷駅から徒歩10分、道玄坂をのぼったところにある、名曲喫茶ライオンさんにお邪魔しました。

 

今までこのブログでは、美味しいコーヒーとは何か、コーヒーショップのこだわりとは何か、ということを都内のバリスタさんに訊いて回りました。今回は雰囲気をガラッと変えて、喫茶店の歴史、コーヒーの歴史に目を向けてみたいと思います。

 

というのも、この名曲喫茶ライオンさんは昭和元年に開業して、途中戦争の影響を受けながらも、当時のコーヒーの味や西欧的な外装・内装を守り続けてきました。初代店長の山寺弥之助氏の孫である山寺直弥氏にお話を伺いました。

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店内は薄暗くなっていて、リラックスできるようになっている。座席はほとんど全て、奥のレコードの方を向いている。

 
「いや、特に『コンセプト』なんて無いですよ。昔からあるものを何とか続けてきただけです。戦争で休業を余儀なく迫られたこともありました」と気さくに話すのは、山寺さん。

 

先々代はもともと福島県会津若松の酒造の家で生まれ育ったが、東京で商いをしたくて、東横線の今はなき駅の近くにかき氷屋さんを始めた。それがうまく行ったのをきっかけに、当時ヨーロッパで流行り出したコーヒーに目をつけ、「ライオン」を始めたのだという。もちろん、日本では誰もコーヒーなんて飲んでいなかった。

 

「喫茶店業というのが存在しなかったんです。なので、パン屋さんとしてお店を始めました」

 

先々代は身内をヨーロッパに行かせて、コーヒーや喫茶店について学んだのだという。さらに、東大の学生がよく来ていたこともあって、文化色の強い喫茶店になった。店内の照明は落ち着いていて、クラシック音楽が流れ続けている。今では何千もの所蔵があり、お客さんからのリクエストも受け付けている。

 

「もともと歌謡を流していたそうですが、先々代が気に入って、クラシックを流し始めました」

 

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内装・外装だけではなく、座席やテーブルまで歴史を感じさせるものになっている。そして、コーヒーにいたっては、今では珍しいネルドリップ(紙ではなく、布で抽出すること)でコーヒーを淹れている。ホームページには、「ライオンのコーヒーの味は、ロンドンにあるベーカリー直伝である」と書かれているが、本当に重厚感があるコーヒーだった。調合方法もドリップ方式も当時のままで続けているのだという。

www.ucc.co.jp

 

なぜ今回、名曲喫茶ライオンを取り上げたのか。それは、コーヒーのサードウェーブであるスペシャリティーコーヒーの文化が日本の喫茶店文化に由来しているところがあるからだ。ファーストウェーブは大量生産と大量消費の時代で、セカンドウェーブはスターバックスを始めとするブランドコーヒーの時代と言われているが、本当にそうなのだろうか。名曲喫茶ライオンが開業したのは、コーヒーのファーストウェーブと言われる頃だが、お店の雰囲気づくりやコーヒーに対するこだわりは、大量生産と大量消費というよりも、現代のコーヒーショップに通じるところがある。

www.georgia.jp

 

日本においてまだコーヒーが目新しい頃から見られた、喫茶店のオーナーのドリップ文化は、その後、スターバックスの時代を迎えても脈々と生き続けている。新しい潮流に影響されることなく、自分のスタイルを貫く。それが、名曲喫茶ライオンが今日も続いている理由かもしれない。

 

さて、名曲喫茶ライオンは戦争でお店が焼失し、休業を余儀なくされた。その後、奥多摩から木材を仕入れたり、闇市で砂糖を手に入れたりした頃もあったのだという。今日、渋谷にあるお店は終戦後からあるもので、建物もだいぶ古くなっている。それでも、多くのお客さんに愛されている。

 

「長く続けていく秘訣なんてないですよ。このお店もいつまで続けるかとかは全く考えていませんが、できる限り、このお店の雰囲気とコーヒーの味を保ちながら続けていきたいです」

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名曲喫茶ライオン
http://lion.main.jp/info/infomation.htm
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2-19-13
TEL 03-3461-6858
営業時間 11:00-22:30
年中無休(正月・盆休み有り)

 

日本茶とコーヒーの斬新な組み合わせ Satén japanese tea 藤岡響氏

暑さも峠を通り越し、だんだん涼しくなってきました。コーヒー党の皆さんにとっては、ホットで飲むかアイスで飲むか悩むこの季節。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

 

英文学を学んでいる大学3年の私は、この秋から卒業論文に向けた準備に取り掛かります。しかし、論文で期待されるような、斬新なアイデアを出すにはどうしたらよいか、頭を悩ませています。それは、コーヒー業界でも同じだと思います。“From seed to cup(豆からカップまで)”にあらわされる「サードウェーブ」の到来によって、多くのコーヒーショップで生産から品質管理まで徹底された、スペシャリティーコーヒーが提供されるようになりました。美味しいコーヒーがあふれる中で、差別化を図るのはとても難しい。そんな中、JR中央線西荻窪駅から徒歩5分のSatén japanese teaでは、“Leaf to Relief(茶葉から一服へ)”を掲げ、日本茶とコーヒーを組み合わせた、ユニークなカフェづくりをしています。

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「そうです、“Leaf to Relief”はコーヒーの“From seed to cup”から取りました。コーヒーと日本茶は似ているところがたくさんあります。」柔らかな笑顔でお客さんを迎えながら、そう語るのは、藤岡響氏(写真右)。BLUE BOTTLE COFFEE清澄白河の立ち上げに携わり、トレーナーをされていた、腕利きのバリスタだ。バリスタ歴は14年になるという。

 

「コーヒーだけではない。日本茶だけではない。そのふたつを組み合わせることによって、メニューの幅が広がります。それだけ、お客さんの客層も厚いと思います」

 

昼は日本茶を飲んで、夜はコーヒーを飲む。そんなお客さんもいるのだという。

 

写真左の小山和裕氏は日本茶の道を極める茶リスタで、藤岡氏とともに、日本茶をメインとしたカフェを立ち上げた。それが、Satén japanese teaだ。コーヒーと日本茶の組み合わせ。コーヒーと日本茶が、それぞれにどのような影響を及ぼしているのだろうか。おすすめの抹茶ラテをいただきながら、藤岡氏に話を伺った。

 

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「最初に思いつくのは、スケール(計量器)とケトルです。どちらもコーヒー用のものを使っていますが、日本茶を淹れる際にも使っています。コーヒー用のものを使うことによって、より正確に分量を量れるようになりました」

 

抹茶を点てている藤岡氏の目がスケールの目盛りに向かっている。藤岡氏が慣れた手つきで茶筅を動かしているのを見ると、茶室にいるのかカフェにいるのか分からなくなる。

 

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器具だけではない。伝統的な日本茶のお店なら和菓子を出すだろうが、Satén japanese teaではコーヒーにも合うような、あんバタートーストやモナカを提供している。その日は、クリームチーズを練り込んで作られた、洋風のスナックスコーンをいただいた。京都で作られたものだという。

 

なぜ、Satén japanese teaは日本茶とコーヒーの組み合わせにこだわるのか。

 

日本茶というと高尚なイメージがあって、敷居が高いように思われがちです。でも、私たちは日本茶とコーヒーという組み合わせで、もっと色々な方に、もっと気軽に楽しんでいただきたいと思っています」

 

その思いは、Satén japanese teaの内装にもあらわれている。レトロな印象の内装には、和を意識してか、手すき和紙も織り込まれていて、日本茶にふさわしい涼しげな雰囲気を醸し出している。しかし、薄緑色の塗装や丸みを帯びた照明は、北欧由来のものだ。「格式の高いお茶屋」といったひとつのイメージに偏り過ぎず、「組み合わせ」によってさまざまな可能性を追求している。周りを見渡すと若い女性のお客さんが多く、皆さんリラックスしているようだった。

 

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そんなユニークな「組み合わせ」は、西荻窪の個性的な性格にも支えられているかもしれない。バンドマンから編集者、個人経営者まで、いろいろな人たちがSatén japanese teaを訪れる。藤岡氏自身も西荻窪出身だ。

 

「もともと中央線沿線は文化的で、喫茶店がたくさんあります。とくに西荻窪は嗜好品が好きな方々が多く集まる地域です」

 

藤岡さんが繊細な手つきで描く完璧なラテアートは、西荻窪の文化性を納得させるようだった。日本茶とコーヒーという独特な組み合わせによって、Satén japanese teaは西荻窪の人々から支持を得ている。

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「実は、LOCAセラミックフィルター、持ってますよ」藤岡氏は笑顔で話した。

 

考えてみると、LOCAセラミックフィルターも有田焼の誇るべき伝統とコーヒーの組み合わせ、多孔質セラミックの高い技術とコーヒーの組み合わせによって、人気を博している。前回のSPORTY COFFEEもスポーツとコーヒーの組み合わせだった。ゼロから悩む必要はない。何かと何かを組み合わせてみたら、新しいアイデアが生まれるんじゃないか。コーヒーを片手に記事を書きながら、卒業論文に向けて自信がついたような気がした。

 

saten.jp

Satén japanese tea
〒167-0054 東京都杉並区松庵3-25-9
TEL 03-6754-8866
営業時間 火水木土10:00-21:00 金10:00-23:00
定休日 月曜日

コーヒーをきっかけに、スポーツを楽しんでもらう。 SPORTY COFFEE 尾崎数磨さん

来年は、東京オリンピック

元号が令和に改まって、みなさんいかがお過ごしでしょうか。ゴールデンウィークも後半になって、天気がやっと良くなってきました。ひさしぶりに運動しようという方も多いのではないでしょうか。

さて、来年は東京オリンピックが開催されますが、みなさんは何か観てみたいスポーツはありますか。もしオリンピックならではのスポーツを観てみたいのであれば、フェンシングがおすすめです。私が大学でやっているフェンシングは、オリンピック種目のひとつで、太田雄貴さんの活躍で有名になりました。太田雄貴さんは、現在日本フェンシング協会の会長で、独自の経営でフェンシングというマイナースポーツを世の中に広めています。

toyokeizai.net

もっとスポーツを広めたい。そんな思いは、コーヒー業界にもあります。コーヒーをきっかけに、お客さんにスポーツを楽しんでもらう、そんな取り組みがあるんです。「大学生が、コーヒーを哲学する」第3弾となる今回は、駒沢オリンピック公園に近い、SPORTY COFFEEの尾崎数磨さんから「コーヒー×スポーツ」についてお話を伺いました。

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SPORTY COFFEE 店長の尾崎数磨さん。CoffeFest Latte Art World Championship 2016年大阪大会では、準優勝に輝いた。

フィッティングルームもあるんですよ。

SPORTY COFFEEに入ると、スポーツウェアやスポーツ用品がずらりと並んでいて、「ここはカフェなのか」と目を疑う。それも、デザインに凝った商品ばかりで、おしゃれな雰囲気を醸し出している。手前のキッチンにはコーヒーマシンがあり、奥を覗くと尾崎さんはお客さんと楽しそうにお話ししていた。

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スポーツウェアブランドAKTRのフラッグシップストアとして、昨年の12月にSPORTY COFFEE東京駒沢店はオープンした。2015年4月にオープンした大阪アメ村店につづき、2店舗目になる。

「フィッティングルームもあるんですよ」とAKTRのウェアを着た尾崎さんは語る。

「ここにきて、着替えて、荷物をおいてランニングにいくんです。それで戻ったら、コーヒーを飲まれてますね」そんなスポーティーなお客さんが、SPORTY COFFEEに訪れる。

コーヒーにはリラックス効果があり、運動前後にぴったりの飲みものだ。コーヒーとスポーツを掛け合わせて、「むかしはスポーツをやっていたけど、最近はやっていない。でも、またやってみたい」そんなお客さんのために、コーヒーを通してスポーツに出会うことがコンセプトになっている。

SPORTY COFFEEでは、カフェとしていろいろなコーヒーが用意されている。しかしそれだけではなく、ヨガやバスケットボール、フットサルやランニングといったイベントも開かれていて、お客さんは自由に参加できる。

駒沢オリンピック公園が近いこともあって、地域のみなさんに楽しんでもらっています」と尾崎さんは語る。

「スポーツを通して、いろいろな方に出会えるのが楽しいですね」

モデルさんや女優さんがイベントに参加することもあるのだという。お客さんがお弁当を持参して、SPORTY COFFEEのコーヒーと合わせてみたり、イベント自体もいろいろな形に発展していくのが面白いという。

 逆に、スポーツからコーヒーに出会うこともあります。

SPORTY COFFEEにはいろいろなこだわりがある。キッチンにはミルクケースが使われていたり、商品棚は学校の体育館を思わせるものであったり、遊び心が満載だ。こだわりのメニューを聞くと、「コーヒー×スポーツ」をかかげるだけあって、「プロテインラテ」だと尾崎さんは語る。本当にプロテインが入っていて、いちご風味でおいしく飲める独創的なラテだ。

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PROTEIN LATTE(https://sporty.coffee/help/about

「お店としてコーヒーだけでいいのか、というのはありましたね」と尾崎さんは語る。今となっては、おいしいコーヒーを出せるカフェはいくらでもある。その中で「コーヒー×スポーツ」という組み合わせだからこそ、コーヒーから入るお客さん、スポーツから入るお客さんの両方に来てもらえる。コーヒーとスポーツの相乗効果があるのだという。

「でも、片手間にコーヒーをやっているわけではありません」

尾崎さん自身は、ラテアートの世界大会に出場経験のあるバリスタだ。また、SPORTY COFFEEは、ドイツ・ベルリンに拠点を置くTHE BARNのコーヒー豆も扱っている。尾崎さんに淹れてもらった浅煎りのコーヒーからは、絶妙な酸味が感じられた。

thebarn.de

コーヒー、スポーツ、そしてカルチャーに

「コーヒー×スポーツ」という組み合わせは、特に外国人のお客さんから人気があると尾崎さんは語る。SPORTY COFFEEのように、コーヒーと何かを掛け合わせるカフェは海外にもあるのだという。たとえば、SPORTY COFFEEは「コーヒー×スニーカー」をコンセプトにしたアメリカ・ポートランドのカフェと交流がある。

だが尾崎さんは、SPORTY COFFEEを「コーヒー×スポーツ」の枠でとどめようとはしていない。お店の真ん中には、海外のデザイナーさんが携わった商品が並べられていて、「コーヒー×スポーツ」に新たに「カルチャー」を付け加えていく意気込みだ。

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 「SPORTY COFFEEには柔軟性があります。お客さんとの出会いの中で、どんどん新しいものを取り入れていきたいと思っています」

東京オリンピックを目前に控えて、スポーツが好きなみなさんにも、もちろんコーヒーが好きなみなさんにも、おすすめしたいカフェだ。それでは、また来月。

 

sporty.coffee

SPORTY COFFEE
〒152-0021 東京都目黒区東が丘 2-12-19 1F
TEL 03-6873-6519
営業時間 7:30-20:00

マンデリン、飲み比べてみて下さい。豆工房 COFFEE ROAST 調布深大寺店

どうすれば、コーヒーの奥深い世界をもっと知ってもらえるのか。

今回は、筆者が普段からお世話になっている、東京都調布市の豆工房 COFFEE ROAST 調布深大寺店の吉田成香さんにお話を伺った。

コーヒーの味は、豆の産地から品質、煎り方、挽き方、そしてフィルターによって、全く味が変わってしまう、奥深い世界である。本当に、奥が深い。ちょっと深煎りにしたり、浅煎りにしただけで、全く違うコーヒーになる。そして、奥が深いからこそ、コーヒーの楽しみ方は人それぞれである。

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豆工房 COFFEE ROAST 調布深大寺

忙しい朝、新聞を片手にコーヒーバッグのコーヒーを飲む人。お仕事前の眠気覚ましに、自動販売機の缶コーヒーを飲む人。はたまた、豆を買ったり、挽いたりして、ドリップコーヒーを楽しむ人。どれが正しいということは無いはずだ。

しかし、インターンとしてLOCAセラミックフィルターのお手伝いをする中で気付いたのは、ビジネスという文脈においては、単純に美味しいコーヒーを目指すというだけでは足りないということだ。豆の産地から品質、煎り方、挽き方、そしてフィルターまでこだわり、同業他社と一線を画す価値があったとしても、その価値を一般のお客さんに伝える努力が必要だということだ。

例えば、LOCAセラミックフィルターでは、小売店で試飲会を開催して、LOCAセラミックフィルターで淹れたコーヒーをお客さんに直接飲んでもらっている。差別化を図るのも難しいが、その価値を伝えるのも難しい。

筆者が吉田さんのお店に通うのは、吉田さんがコーヒーの奥深い世界について懇切丁寧に教えて下さるからだ。それによって筆者は、今まで知り得なかった豆に出会うようになった。

例えば、スタンプカードの裏に購入した豆をメモして下さり、今までどんな豆を試したのか分かるようになった。豆の焙煎を待っている間は、サービスコーヒーを淹れて、その産地についてお話しをされる。そして、淹れ方が分からないときは、コーヒー器具一式を持って、お湯の温度からドリッパーの穴の数まで、詳しく教えて下さる。

吉田さんの取り組みには、コーヒーの奥深い世界を伝える努力をひしひしと感じられる。

もともとはスターバックスに勤めていた。

吉田さんは、もともとスターバックスに勤めていたそうだ。それも、10年以上も勤続していたという。取材時には、当時バイトだった方が、たまたま吉田さんに挨拶に来ていた。

「ということは、このお店を始めたのは、焙煎や産地にこだわった、より本格的なコーヒーを。ということですか。」

吉田さんは、はにかんだ笑顔で、「うちみたいなお店とスタバって、根本的に違う気がしますね。スタバは、お客さんに空間や時間を楽しんでもらえるカフェだと思います。私自身、今でもよくスタバに行きますよ」と語った。

それでも、スタバ時代に学んだマーケティングは、今にも活きていると語る。

COFFEE ROAST 調布深大寺店は、3月号のCOFFEE ROAST SAIさんと同様に、(株)コーヒーローストの加盟店のため、商品説明のカードやタグ、その他の備品についても貸し出されるという。

「使っても、使わなくてもいいんですよね。」そのように語る吉田さんは、独自のマーケティングを決して怠らない。

淹れ立てのサービスコーヒーとそれにぴったりのお菓子を提供したり、高級豆や旬の豆について写真付きのカードで紹介している。そして何より、「飲み比べ」は、豆の奥深さを体験してもらえる画期的な取り組みだ。

マンデリン、飲み比べてみて下さい。

マンデリンは、その深煎りの苦みで知られている、インドネシアを代表する豆だ。どのコーヒーショップでも、マンデリンは定番の豆である。

しかし、マンデリンだけを取っても、その世界は奥深い。吉田さんは、「マンデリンG1」と「ゴールデンマンデリン」を用意して、その飲み比べをおすすめしている。

マンデリンG1の「G」はグレードの意味で、その品質を表している。マンデリンG1は、最高品質のコーヒーで、「やや強めの苦みと熟した果実の甘み」が特徴だ。マンデリンG1よりも低いグレードのマンデリンは、例えばカフェラテに使われている。

では、ゴールデンマンデリンとは何か。こちらは、スマトラ島の一定の基準を満たした限定小規模農家によって、手作業で摘み取られた豆だ。吉田さんの説明によると、「濃厚かつ雑味のないふくよかなコクを感じます」とのことだ。例えば、栽培地の高度が一定に保たれているため、気候条件の変化による味のばらつきが少なく、また豆の大きさも揃っている。一言で言えば、マンデリンG1よりも品質管理が徹底しているのだ。

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マンデリンG1

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ゴールデンマンデリン

吉田さんは、「マンデリン 飲み比べ」と分かりやすくまとめたカードを用意して、お客さんに二種類のマンデリンの違いを知ってもらった上で、飲み比べができるようにしている。

実際に飲んでみると、マンデリンG1とゴールデンマンデリンの違いは歴然だ。前者は「スモーキー」と言いたくなるほど、深煎りらしい苦味があるのに対して、後者には透明感があり、万人受けするような、とても飲みやい印象だった。気が付けば、朝の一杯には、「スモーキー」なマンデリンG1を選び、友達が家に遊びに来たら、ゴールデンマンデリンで淹れたいと勝手に想像を膨らませていた。飲み比べによって、マンデリンのことが好きになった気がする。奥深い世界だからこそ、飲み比べのようなちょっとしたきっかけで、楽しさは倍増する。

それだけではない。吉田さんは、それぞれの豆にぴったりのお菓子まで紹介する。お店にも様々な種類のお菓子が置いてある。例えば、酸味が強い、浅煎りのコーヒーには、柑橘系のお菓子を。マンデリンのような苦味の強いコーヒーには、シナモンフレーバーのクッキーやスパイシーなおつまみも合うのだと語る。

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店内には、様々なお菓子が用意されている。

調布の皆さんにコーヒーを楽しんでもらえるように。

 「もし、あの商品カードが変わったら、『お、何かやりだしたぞ』と思って下さいね。(笑)」

吉田さんの朗らかな性格は、店内を明るくしているようだった。

「とはいうものの、コーヒー党の方だけではなく、地域の皆さんにコーヒーを楽しんでもらいたいですね。」

京王線布田駅から徒歩10分ほどの住宅街にお店を構えるのは、地域の皆さんにコーヒーを楽しんでもらいたいからだと語る。最近には、近所を流れる野川の夜桜ライトアップをイメージして、「夜桜ブレンド」を発売した。

「お客さんにとっては、もちろんお口に合うのが一番です。でも、例えばマンデリンに対して苦いという印象をお持ちなら、煎り方によって飲みやすくなるかもしれません。焙煎度合を揃えることによって、産地の異なる豆の違いを楽しむことが出来るかもしれません。そういったことを試せるのが、うちの良いところだと思います。」

そんな吉田さんのお気に入りは、エメラルドマウンテンだという。「お気に入りというよりも、色々な豆を試してきて、エメラルドマウンテンの味が一番安定していますね」と笑顔で語った。

 

豆工房 COFFEE ROAST 調布深大寺

182-0015 東京都調布市八雲台1-27-6

042-444-5180

営業時間:10:00-18:00

定休日:月曜日

 

「実は、出来るだけコーヒーの話はしないようにしています。」 コーヒーローストSAI 福田宏之さん

コーヒーショップを巡るシリーズ第一弾は、白金高輪駅から徒歩10分のコーヒーローストSAIさん。店内には、スペシャリティコーヒーの生豆が30種類以上もズラリと並んでいて、芳しい香りが漂っています。LOCAセラミックフィルターも置いていただいています。
落ち着いた雰囲気の高級住宅街にお店を構える、店主の福田宏之さんにお話しを伺いました。

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福田宏之さん
  • いつも、LOCAセラミックフィルターでお世話になっています。最近は、おいしいコーヒーにこだわる人も増えて、そんな人にとってコーヒーショップは欠かせない存在だと思います。とはいえ、都内に限ってもコーヒーショップはたくさんあると思うのですが、コーヒーショップの福田さんから見て、白金高輪はどんなところですか。やはり、他の場所とは違うのでしょうか。

    白金高輪は、「こだわり」を持っているお客さんが多いと思います。お客さんそれぞれの、良いもの、悪いもの、という判断基準がしっかりしています。なので、単に高い豆が欲しいというお客さんは少ないですね。

  • スタバのコーヒーだったり、コンビニのコーヒーだったり、自販のコーヒーだったり、色々なコーヒーがある中で、豆を買ってドリップでコーヒーを淹れるのは、「こだわり」がありますよね。

    そう思います。その意味では、ご年配のご夫婦、家族連れのお客さんが多いと思いますね。豆を選ぶ時間を、ご夫婦や家族で共有できるのが、コーヒーショップのよいところだと思います。また、コーヒーショップを通じて、地域の方と繋がれるのもよいところですね。

  • お客さんにとっても、コーヒーのプロと仲良くなれるのは、貴重ですよね。

    実は、出来るだけコーヒーの話はしないようにしています。というのも、コーヒーの話ばかりしていたら、他のコーヒーショップとなんら変わらないので、お客さんが来なくなってしまうかもしれません。なので、地域の方との繋がりを大事にして、色々な話題で楽しんでもらえるように心掛けています。休みの日には、地域の方とゴルフに行ったりもしていますよ。

  • それも、福田さんの「こだわり」ですね。コーヒーローストSAIの「こだわり」は何ですか。

    豆の鮮度ですね。うちはスペシャリティコーヒーの豆を厳選して扱っていて、オーダーを受けてから焙煎をしています。豆本来の味を楽しんでほしいという思いもあり、通常ブレンドは出していません。

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  • 最近だと、季節や地域に合わせたブレンドが出ていますよね。

    ブレンドには考え方が二つあって、一つは評価の高い豆を混ぜ合わせて、複雑な風味を生み出すもの。もう一つは、評価のあまり高くない豆を混ぜ合わせて、癖のないマイルドなコーヒーに仕上げるものです。こちらが、一般的だと思います。ブレンドにも良し悪しがありますが、うちでは1銘柄の豆のみをお出ししています。

  • 福田さんは、どういった経緯でこのコーヒーショップの店主になられたんですか。

    実は、もともとコーヒーは苦手だったんです。缶コーヒーなんて全く飲めなかったんですが、妻の作っていたビスコッティがとても美味しかったので、これを何とかいかせないかと思っていました。それで、2016年にサラリーマンをやめて、このコーヒーショップを義理の両親から受け継ぎました。妻のビスコッティの販売も始めました。コーヒーについて学ぶうちに、どうして缶コーヒーが飲めなかったのか分かるようになりました。缶コーヒーの豆は、主に大量生産用のカネフォラ種(ロブスタ種)です。逆にスペシャリティコーヒーの豆は、高品質で栽培条件の厳しいアラビカ種を扱っています。

  • 福田さんのおすすめの豆はありますか。

    一番人気は、コロンビアの「クレオパトラ」ですね。酸味とのどごしがあり、くせになる味だと思います。万人受けする豆ですね。

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コロンビア「クレオパトラ
  • 最後に、福田さんがおすすめするLOCAセラミックフィルターの使い方を教えて下さい。

    LOCAセラミックフィルターは、深煎りコーヒー独特の苦味を取り除いて、コーヒーをダークチョコレートのようにまろやかにしてくれます。バターコーヒーというコーヒーとバターをミックスしたものがあり、これはダイエットにとっても効果的なのですが、これ自体はあまり美味しくないんです。でも、LOCAセラミックフィルターでバターコーヒーを淹れると、カフェオレみたいにまろやかで美味しくなるので、おすすめです。

コーヒーローストSAI

108-0074 東京都港区高輪1-21-3

03-3449-7007

営業時間:11:00-18:00

定休日:火曜日・水曜日